近年、サウナを愛する人達「サウナー」によるサウナの魅力の紹介やドラマ「サ道」(テレビ東京)の影響によって、サウナとサウナによる「ととのい」に注目が集まっています。しかし、「ととのう」という感覚はなかなか理解ができませんよね?
では実際に「ととのい」を体感してみよう!と思っても「ととのう」為には、やみくもにサウナに入るだけではダメなのです。
この記事では、筋金入りのサウナーである筆者が、サウナの魅力とサウナ初心者でも「ととのう」ように正しいサウナの入り方を紹介します。
サウナで「ととのう」とはどんな状態?
「ととのう」とはサウナ、水風呂、休憩(外気浴)を繰り返すことによって得られる幸福感を感じている状態のことです。
ふわふわと宙に浮いているよう、ボーっとしてるけど頭がスッキリしている、と「ととのう」感覚はひとそれぞれ微妙に違っています。共通していることは「ととのう」と体全体に多幸感が得られるということです。
極限状態からの解放による不思議な状態
体が「ととのう」メカニズムを解説すると、人間の体は環境に対応しようとする習性、体の状態を一定に保とうとする能力があります(適応能力)。サウナと水風呂という極端な環境に身を置くことで、脳と体はパニック状態となります。パニック状態になったあとにゆっくりと休憩をすることによって、極限な環境から解放された脳と体は、急速にリラックス状態に入っていきます。この時の脳と体は、パニック状態とリラックス状態が混在する不思議な状態となり、この状態こそ「ととのい」の状態というわけです。
しかしこの状態が続くことに体への負荷は無いのでしょうか?どのようなメリットがあるのでしょうか?この点について詳しく解説していきます。
サウナに入るメリット

Mental health and disorder illustration
サウナに入ることよって全身の血流は2倍にあがるといわれています。血流があがることで様々なメリットがあります。
①脳内がスッキリして気持ちも前向きに
脳は体のなかでも最も重要な器官であるため、ウイルスや細菌が入り込まないように厳重な構造となっています。そのため運動や入浴だけでは脳内の血流は増えにくく、老廃物は脳内に溜まりがちです。
しかしサウナに入ることによって、脳内の血流も増加し、脳内にたまった老廃物を洗い流してくれるのです。それによって脳内はスッキリし、晴れやかな気持ちで仕事や日常に向き合えるようになります。
②深い睡眠が得られ、疲労回復につながる
サウナに入ることによって、体の睡眠ホルモンが分泌され、普段よりも深い睡眠をとれるようになります。体の血流も増えるので体の老廃物も洗い流し、細胞の新陳代謝を高めてくれます。血流の増加による新陳代謝と深い睡眠により疲労がとれて、疲れにくい体になります。
また凝り固まった、首や肩や腰を血流がほぐしてくれ、肩こりや腰痛になりにくい体が手に入ります。
③美容効果
サウナに入るとサウナの熱によって、皮膚の表面のダメージを修復させるホルモンを分泌します。そのためサウナ後は化粧水や乳液をたっぷりとぬることで、化粧水や乳液の成分とホルモンの相乗効果によりお肌もツルツルになります。またサウナには甲状腺ホルモンも分泌させる事がわかっています。甲状腺ホルモンが増えると体の代謝がよくなります。
「ととのう」サウナの正しい入り方
基本的にサウナ→水風呂→外気浴(休憩)、これを1セットとして3から4セット繰り返します。サウナでしっかりと体を温め、水風呂で急激に冷やす。そしてゆっくりと休憩をする。これを繰り返すことで極上の「ととのい」が待っています。
注意すべき点はこの1セットの流れは崩さないこと。セットの間に水分補給をしたり、外気浴によって冷えた体を入浴で温めることは問題ありませんが、「水風呂は冷たいからイヤ」とか「外気浴は恥ずかしい」なんてことを言って、セットの流れを崩すと「ととのう」ことは到底できません。
体調をチェック、水分補給をする
サウナに入る前に、自分の体調をチェックしましょう。
- 風邪をひいてないか
- 二日酔いになってないか
- 高血圧、心臓、脳に持病がないか
これらに問題がなければしっかりと水分補給をしてサウナに行きましょう!飲み物は体にすばやく浸透しやすいスポーツドリンクがおすすめです。「ととのう」状態とは、一種のトランス状態。少しでも体調が悪いときは控えるようにしましょう。
②サウナに入る前には必ず身を清める
「身を清める」とはサウナーが使うサウナー用語です。サウナに入る前には髪と体を洗います。これ公衆浴場のマナーとして当然ですよね。これからサウナによって大量の汗をかきますが、その汗が汚いと回りの人に迷惑になります。サウナに入る前には必ず、身を清めましょう。
③サウナ、水風呂、休憩スペースの場所の確認
身を清めたら、サウナ、水風呂、休憩スペースの場所の確認をしておきましょう。「ととのう」ためには水風呂を出てから、2分間が勝負です。
この2分間の間に体はリラックス状態に入るので、それまでには速やかに休憩スペースに着いておかなければなりません。そのためにもサウナに入る前には必ず各スペースの場所は確認して、速やかに行動できるようにしておきましょう。
④いよいよサウナに突入!出る時間はアンパンマンのマーチが目安
サウナ室での座り方は、あぐらをかいて座るか体育座りがベストです。これはなるべく体の高低差をなくして、足先まで温めるためです。サウナ室に人が多いとなかなかできませんが、人が少ないときはぜひ試してください。
そしてサウナ室から退室するタイミングは、10分とか分数を決めるのではなく、自分の脈拍の速さで判断することをおすすめします。
退室する時間を決めてしまうと、その日の体調やサウナ室の温度の違いで上手く体を温められない可能性があるからです。健康な人の平均脈拍は50~60なので、脈拍が平常時の2倍程度の100~120ぐらいになったら退室するといいでしょう。脈拍を正しくはかるのが難しく感じる人は、自分の脈拍をとりながら頭の中でアンパンマンのマーチを再生しましょう。曲のテンポがちょうど100くらいなのでサウナ室から退室する目安にするとよいでしょう。
⑤水風呂は勇気をだして肩までつかる
水風呂は躊躇してしまうとなかなか入れません。ここは勇気だして一息で肩まで浸かってしまいましょう。入る際に息を大きくすって、吐きながらはいると心臓に負担が少なく入れます。1セット目は数秒浸かればで十分です。2セット目以降は自分の吐く息がスースーと冷たく感じたら出るとよいでしょう。目安時間としては1分から2分です。
⑥サウナの真髄「休憩タイム」
水風呂からでたら、速やかに休憩スペースへと移動しましょう。移動しながら体についている水滴も拭き取っておくことを忘れずに。これは体の水滴が気化することによって体の熱が逃げないようにするためです。
休憩時の体勢は横になるのがベストですが、椅子に座るだけでもかまいません。ゆっくりと目を閉じて、意識を自分にむけて集中すると、独特の浮遊感と多幸感を味わえるはずです。
休憩の時間の目安は5分から10分程度で足先が少し冷たく感じたら終わりましょう。「ととのい」は2・3セット目にピークを迎えます。注意点は休憩は必ず座るか寝転んで行ってください。立ったまま休憩していると、心臓に負担がかかってしまいます。
「ととのう」まとめ
ストレスフルな現代社会では、誰もが体にも心にも強い負荷がかかっています。その負荷が一定量を超えると、心身のバランスを乱し、体調を崩してしまいます。
心身のバランスが乱れないように、定期的に「ととのえる」ことが大事です。ぜひ日常にサウナをとりいれて、健康で充実した毎日をすごしましょう。
PROFILE

- 炭酸入浴剤のセカイ 編集長
-
不動産販売・管理・経営を経て、某コンサルティング会社役員。現在30歳。日々の業務に忙殺され、自分を見失いかけていた頃に炭酸入浴剤「ホットタブ」と出会う。入浴、睡眠、体調管理の重要性を知り、炭酸入浴剤のセカイへ。保有資格:入浴検定、宅地建物取引士、管理業務主任者
ベストオブ入浴剤:薬用ホットタブ重炭酸湯
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